<現代的なのはうわべだけ。根底にある価値観は古くさく、『We Live in Time この時を生きて』はお涙頂戴ものとしても中途半端──(ネタバレあり・あらすじ・レビュー)>

主演のフローレンス・ピュー(Florence Pugh)によれば、映画『We Live in Time この時を生きて』の主題は「最高にシンプルなこと」だ。「私たちがこの世に存在する唯一の理由、つまり愛し愛されることについて描いた」と言う。

映画『We Live in Time この時を生きて』予告編

だが筆者に言わせれば、これは最高にシンプルな恋愛映画というより、末期的に時代錯誤な異性愛映画だ。

ざっとストーリーを紹介しよう(ネタバレ注意)。

ジョン・クローリー(John Crowley)監督のラブロマンスは、イギリスを舞台に1組のカップル、アルムート(ピュー)とトビアス(アンドリュー・ガーフィールド、Andrew Garfield)の出会いから悲しい別れまでを追う。

時系列を分解し、2人の関係のさまざまな瞬間をシャッフルして見せるために複雑な印象を与えるが、実際にはそう複雑な話ではない。

アルムートの視点を中心に、『この時を生きて』は映画をヒットさせるのに必要な現代の感覚と、「多くの人に長く愛される」とピューが表現する作品になるのに役立ちそうな伝統主義の間で揺れ動く。

アルムートは寝室の引き出しにコンドームを常備する今どきの30代女性。イギリスとドイツのフュージョン料理が専門のシェフであり、仕事に情熱を傾けている。

出会って間もなくアルムートは子供は要らないと告げるのだが、トビアスは子供が欲しい。数週間後に子供の話を蒸し返した上で、愛を告白する。「かなりの確率で君と恋に落ちそうなんだ」

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「母親の命」を守る気がない映画・・・
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