<がん治療薬を組み合わせた新手法が「老化」を一変させる? アメリカとドイツの共同チームによる研究について>

2種類のがん治療薬を組み合わせることでマウスの寿命が延び、ヒトの「よりよい老化」にもつながる可能性があるという研究結果が発表された。

免疫抑制剤「ラパマイシン(rapamycin)」と抗がん剤「トラメチニブ(trametinib)」をマウスに投与したところ、両薬剤の併用で寿命が約30%延びたことが国際研究チームによって確認された。

 

この治療法は脳や他の組織における慢性炎症を抑制し、がんの発症を遅らせる効果も確認されたように、高齢期の健康状態をも改善するという。

本論文の筆者でユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)の遺伝学者であるリンダ・パートリッジ(Linda Partridge)教授は、「マウスほどの寿命の延びがヒトにも起こるとは考えていない」と慎重な姿勢を示す一方で、次のようにも述べる。

「私たちが研究している薬剤が、ヒトの健康寿命を延ばし、病気のない老後を実現する助けになることを願っています」

ラパマイシンとトラメチニブはともにがん治療に使われる薬で、細胞の成長・代謝・寿命を制御する、いわゆる「Ras/インスリン/TORシグナル伝達経路」の異なる部分に作用する。

動物実験では、ラパマイシンが「ジェロプロテクター(老化抑制薬)」として高い効果があることが知られており、加齢を遅らせる、つまり寿命を延ばす作用があるとされる。

また、トラメチニブもハエの実験で同様の効果が先行研究で示唆されていたが、今回の研究はマウスで初めてその効果を確認した点で画期的だ。

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