次の任務は数時間後に
その解決策として実現を目指すのが「トランスピレーション冷却」という技術だ。宇宙船の機体がちょうど「汗をかく」ように、表面に冷却ガスを浴びせる。このガスの層が外部から加わる高熱から機体を守る。
この技術が実用化されれば、ミッションを終えた後に冷却用ガスタンクを補充するだけで、すぐに次の飛行に備えることができる。「これによってロケットの再利用性が高まる。将来的には毎日飛んでいる航空機のように、完全かつ迅速に再利用できるロケットが実現するかもしれない」と、イフティは語る。
使い捨ての遮熱板の代わりに冷却ガスを使えば、ミッション間の間隔を現在の数カ月から数時間にまで大幅に短縮できる可能性がある。試験装置の開発を担当するのは、同大学博士課程のウィリアム・マシューズ。「開発中の素材にガスがどの程度うまく浸透するかで、この技術の応用の幅は大きく変わる」と、彼は言う。
初期実験は同大学の実験センターで、大気圏に極超音速で突入する状況を想定した設備を使って行われる。この結果によって、商業利用の可能性を見据えた本格的な実証実験に投資する価値があるかが判断される。
イフティは楽観的だ。「うまくいけば、私たちが生きている間に『汗をかく宇宙船』が飛行する姿を見られるかもしれない」
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