<東南アジアがデジタル犯罪、特にオンライン詐欺の温床となっている背景には、緩い規制、根深い汚職、そして国境管理の甘さに付け込む国際犯罪組織の存在が...>

インドネシアの首都ジャカルタの宿泊施設で、ヤンティは兄弟のワヒュから最後に受け取ったメッセージを読み返す。

「ママには言わないで。心配して病気になるといけないから。僕が負けないよう祈って」

ワヒュは韓国企業の安定した職に就けると誘われ、インドネシアを出国した。

だが、実際の行き先はミャンマーで、現地でオンライン詐欺への加担を強要されている。

珍しい話ではない。東南アジア各地では、顧客サービスや暗号資産(仮想通貨)取引の仕事をうたう偽の求人広告に騙された大勢の人々が、暴力による脅しにさらされながら、監禁状態で1日17時間の労働を強制されている。

オンライン詐欺の主な拠点はミャンマーやカンボジア、ラオスだ。フィリピンも同様で、タイは人身売買被害者の移送ハブになっている。被害者は「サイバー奴隷」として働かされ、ターゲットと信頼関係を築いて大金を巻き上げる「豚の屠殺」詐欺に従事させられている。

背景にあるのは、東南アジアで急速に拡大するデジタル化だ。さらに、脆弱な金融規制・監督体制や国際犯罪組織の存在が問題に拍車をかける。

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