テクノロジー企業は曖昧な指針を発表するだけでなく、自社プラットフォームで活動する犯罪ネットワークの解体に積極的に動くべきだ。

人身売買撲滅と被害者支援の活動を行うポラリスプロジェクトによれば、人身売買業者はフェイスブックやワッツアップで偽の求人情報を提供しているが、プラットフォーム側の対策は貧弱なままだ。

フェイスブックは21年に人身売買業者による利用を把握したが、放置した。各社は偽の求人広告を即刻削除し、AI(人工知能)による詐欺検出の範囲を広げ、広告主の責任を問うべきだ。

テクノロジー大手が自ら動かないなら、規制当局の出番だ。オーストラリアでは最近、有害コンテンツ対策をめぐる質問への回答が遅れたことを理由に、テレグラムが罰金約100万オーストラリアドルを科された。

アメリカでも、テクノロジー企業に人身売買事例などの報告を義務付ける法律が成立している。

国際機関は人身売買ネットワークを追跡し、規制をかけ、それを遵守しない政府には圧力をかけるべきだ。詐欺拠点を保護する国は、貿易制限や外交的孤立に追い込まなければならない。

処罰がなければ、強制労働ははびこる。何もしないことに高い代償を科す必要がある。

サイバー奴隷問題は知られざる犯罪ではない。迅速に対応しなければ、強制労働がグローバルデジタル経済に組み込まれてしまう。ワヒュをはじめとする膨大な数の被害者にとって、残された時間は限られている。

From thediplomat.com

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