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ロシアが占拠するザポリッジャ原発(写真)をアメリカが所有するトランプの提案にゼレンスキーは? ALEXANDER ERMOCHENKOーREUTERS

では、目下の交渉では何が問題とされるのか。

プーチンが目標を変えた様子はない。彼の望みは、まずウクライナ戦争で勝利を宣言すること。そしてアメリカを欧州から切り離し、中欧・東欧諸国に対する覇権を握り、ロシアが大国の地位を取り戻し、制裁を解除させ、アメリカの影響力を弱めることだ。

トランプの望みは定かではない。仲介者としての実績が欲しいのか。欧州での戦争を終わらせたいのか。自国が引き受けてきた負担とリスクを欧州に押し付けたいのか。それともロシアとの関係正常化、あるいはロシアと中国の引き離しを図っているのか。

トランプのアプローチの核となる考え方は、ウクライナは平和と引き換えに領土を差し出すべきというもの。だが、これは危険な幻想だ。

ウクライナが領土を割譲したとしても、平和は手に入らない。ウクライナが安全の保証を得られないまま、武装解除や非軍事化の要求に応じれば、いずれロシアから再侵略を受けることになるだろう。

問題の核心は、ウクライナと同盟諸国との間で結ぶ安全の保証だ。ロシアが根本的な目標を変える見込みはない。ウクライナにとって意義のある西側からの安全の保証にロシアが同意する可能性もないし、ロシアによるいかなる約束も信頼はできない。

功を焦るトランプの足元を見るプーチン
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