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プーチンとの交渉に焦りを募らせるトランプ AP/AFLO

プーチンは今後に自信

第2に、この戦争の目的の1つがNATOの拡大に歯止めをかけるというものであること。これはNATOによるロシア攻撃やウクライナのNATO加盟への懸念によるものではない。冷戦終結の結果を是正することが目的だ。

中欧・東欧諸国が自国の運命を選択する自由を取り消すためであり、一国の安全保障は地域内の他の国々の安全保障と切り離せないという「安全保障の不可分性」の原則を実現させるためだ。ロシアにとってこの原則は、ロシアは他国の安全保障に拒否権を持つが、他国にはロシアへの拒否権はないという意味になる。

第3に、これは極めて重要な点だが、プーチンのアメリカに対する地政学的な対抗意識と、冷戦後にロシアの地位が低下したことへの憤りだ。

プーチンが重要な節目に行ってきた数々の発言には、この点には言及していてもウクライナについては直接触れていないものが多い。プーチンは2007年のミュンヘン安全保障会議でも、アメリカの単独行動主義を強く批判した。

トランプ政権1期目の18年にプーチンは、02年にアメリカが弾道弾迎撃ミサイル制限条約から脱退し、戦略的優位を拡大するとみられたことに怒りを向けていた。ウクライナ侵攻直前の21年末には、NATOの戦力配備をロシア・NATO基本議定書が署名された1997年当時に戻すべきだとし、アメリカには欧州配備の核兵器を撤退させることも要求した。

アメリカとロシア、目指している交渉の目的地は?
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