米経済成長を巡る懸念からドルが急激に売られた後、ドル強気派は鳴りを潜めているように見える。しかし一部の投資家は、トランプ政権の関税政策にはなおドルを支える力があると考えている。

トランプ大統領が就任した1月20日以降でドルは約5%下落し、4カ月ぶりの安値に沈んだ。一連の関税を巡る報道が米国の成長に対する不安感を生んだほか、ドイツの財政支出拡大見通しで欧州の先行きに明るさが見えたため、経済成長の観点からの資金投入先としてのドルの魅力がさらに低下した。

 

1月下旬に9年ぶり高水準の352億ドルに膨らんだ通貨先物市場におけるドル買い持ちも足元で153億ドルに圧縮されている。

関税は米国の企業や消費者が負担するコストを押し上げ、供給網を混乱させるとともに、貿易取引縮小につながる、というのがドル売りの根拠だった。

それでも投資家の中には、今はドルの売り場ではないとの見方も聞かれる。

アムンディUSの債券・通貨戦略ディレクター、パレシュ・ウパディアヤ氏は「今の状況がドル弱気一色とは思わない」と話す。

関税は輸入物価押し上げを通じて外国通貨の需要を減らし、ドルを強くするので関税が全面的に発動される間はドルが引き続き上昇してもおかしくないというのが、複数のアナリストの見立てだ。

細胞を「生物学的資産」として管理する時代へ──iPS細胞治療の最前線
細胞を「生物学的資産」として管理する時代へ──iPS細胞治療の最前線
貿易戦争が悪化すれば