16週間にわたり、一方のグループにはフリーズドライのニンジン粉末を含む食事を、もう一方のグループにはニンジン抜きで同等のカロリーの食事を与えた。

その後、マウスに糖を摂取させたところ、ニンジンを摂取したマウスのほうが血糖値のコントロール能力が高いことが確認された。また、腸内細菌のバランスも改善し、短鎖脂肪酸を生成する有益な細菌が増加していることも判明した。

 

研究プロジェクトのコーディネーターであるモーテン・コベアック・ラーセン准教授は次のように説明する。

「ニンジンを摂取したマウスは、腸内細菌の組成が変化し、より健康的な腸内環境が形成されました。食事は腸内細菌の構成に影響を与えます。ニンジンを食べることで、腸内環境が健康的なバランスへとシフトしたのです」

また、ニンジンと同じセリ科(Apiaceae)に属するパセリ、セロリ、パースニップ(白ニンジン)にも、同様の生理活性物質が含まれており、同じような健康効果が期待できるという。

特に、紫ニンジンなどの特定の品種や、生もしくは軽く加熱した状態のニンジンには、より高濃度の生理活性成分が含まれている可能性があると指摘する。

「今回の研究では、ニンジンが2型糖尿病に及ぼす影響を動物実験で示しました。次のステップは、ヒトを対象にした臨床試験を進めることです」とクリステンセン教授は語る。

本研究はオーデンセ大学病院研究基金の支援を受け、「臨床とトランスレーショナルサイエンス(Clinical and Translational Science)」誌に2024年12月に掲載された。

【参考文献】

Kobaek-Larsen, M., Maschek, S., Hansborg Kolstrup, S., Højlung, K., Nielsen, D. S., Hansen, A. K., Christensen, L. P. (2024). Effect of carrot intake on glucose tolerance, microbiota, and gene expression in a type 2 diabetes mouse model, Clinical and Translational Science, 17(12): e70090.

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