アルバータ大学(カナダ)のコンピューターサイエンス教授で医学部の非常勤教授も務めるランディ・ゲーブルは、メンタルヘルスケアにおいて人間に代われるものはないと語る。

「チャットボットが患者の抱える問題を整理して適切なカウンセラーにつなげるなど段階的なアクセスを提供できても、当面は人間が最高のセラピストであり続けるだろう」

米ベス・イスラエル・ディーコネス医療センターのデジタル精神医学部長でハーバード大学医学部精神医学准教授のジョン・トラスも同じ見解だ。

「この数十年、セルフケアのセラピーに関する優れた書籍やCD-ROM、サイト、アプリが数多く出てきた。でも(人間の)セラピストに取って代わることはなかった。AIはさまざまな素晴らしいことができるが、人はセラピーを通して他人とつながりたいのだ」と、トラスは言う。

とはいえセラピーを効果的でインパクトのあるものにするという点では、AIはセラピーを補強すると、彼は言う。

「AIの危険性の1つは、訓練を受けてない、あるいは資格のない人が次々にセラピストを名乗ってセラピーを提供することだ。AIを使えば誰でもセラピストになれるわけではない。フライトシミュレーターを使えば誰でもパイロットになれるわけではないのと同じだ。セラピストの資格や経験、訓練について確認することが望ましい。今こそそれが、かつてないほど重要になっている」

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