親年代の政治的関心の階層格差は、子ども世代にも引き継がれるようだ。<表1>は、社会変革や政治参画に関する10の設問に対して高校生がどう答えているかを、上記の3つのグループで比較したものだ。「全くそう思う」「まあそう思う」の割合を掲げている。

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3つのグループの中で最も高い数値は赤色にし、直線的な傾向の場合は不等号を付している。これによると、社会は変えられるという自信、社会を変えようという意向は、おおよそ裕福な家庭の生徒ほど高い。現状維持志向も同じだ(⑤、⑥)。恵まれた暮らしをしているためだろう。

対して、経済的に厳しい家庭(低所得層)の生徒では、無気力や自信に乏しい回答の割合が相対的に高い。自分とかけ離れた政治のことなど考える余裕がないのか、多様な政治参画の手段を知らないのか――。それがゆえに、闇バイトへの加担や自棄型犯罪といった、社会を揺るがす非合法の手段に傾くとしたら問題だ。

政治的関心の階層格差、既存の体制が維持再生産されやすい理由は、こういう所にもある。それは、早い段階に意図的に是正されなければならない。学校における主権者教育、公民教育への期待は大きい。

「法の下の平等」といったお題目を説いて聞かせるだけではなく、政治によって、世の中の貧困や不平等が克服された事例を題材として取り上げるべきだ。

<資料:国立青少年教育振興機構『高校生の社会参加に関する意識調査』(2020年)>

【チャート】家庭の経済状況別、高校生の社会変革・政治参画意識