否めない「二番煎じ」感
よりよい作品のために、歴史を圧縮して再結合する手法に問題はない。白人開拓者と先住民の戦いという構図に平板化されがちな西部開拓時代の物語に、宗教的対立を組み込んだのは評価すべきことだ。
だが『夜明けの刻』はひたすら過酷で、ユーモアのかけらも(ジム・ブリジャーのせりふ以外には)見当たらない。
ここでは、暴力は浮遊する疫病で、各集団を次々に襲う無作為の苦難であり、人間が自らの意思で選択して起こす出来事ではなく、制御不能で不可避な存在になっている。ドラマ作品にはそれなりの要求があり、『イエローストーン(Yellowstone)』などのテイラー・シェリダン(Taylor Sheridan)監督が続々作品を送り込んでくるネオ西部劇ジャンルで、独自性を打ち出そうとする姿勢を責めるべきではない。
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問題は「西部は暴力の世界だった」というコンセプト自体が、もはや新しくないことだ。
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