アクセレラAIのファブリツィオ・デルマフェオ最高経営責任者(CEO)は「これは大きさの追求が常に好ましいとは限らないという警鐘だ。モデル作成の実現度が誰にとっても高まり、所有の総費用と革新的技術構築の障壁が下がって業界全体に作用する可能性がある」と述べた。

ディープシークの学習費用が本当に同社の主張するほど安いかどうか疑問はあるが、米国勢のモデルと比較すれば安い、というのが専門家の一致した見解だ。

 

デンマークのエンパティクAIのCEOを務めるウルリック・R-T氏は「ディープシークはわれわれのような企業にとって計り知れないほどの機会(を与えてくれる存在)だとみている。われわれのビジョンを達成する上で膨大な予算が必要ないことが分かった」と語った。

コストか安全性か

ディープシーク出現を受け、既に価格競争が始まっている。

マイクロソフトは先週、オープンAIの推論モデル「o1」について、毎月20ドルのところ「Copilot」利用者に無料で提供すると発表した。

スケール・キャピタルのヨアヒム・シェルデ氏は「価格下落に伴って、今後の利用はオープンソースが通常となる透明性の高い分野に向かう。たとえそこが中国であっても」と話す。

ただフィンランドのノキア、ドイツのSAPといった大手企業は安価なモデルへの切り替えに対してより慎重だ。

英シンセシア幹部のアレクサンドル・ボイカ氏は「コストは一つの要因に過ぎない」と述べ、自社がシステムを運用する上で完全に安全性が保たれるのかという別の要因があると付け加えた。



[ロイター]
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