就任式直前にワシントンで行われた反トランプの抗議デモ
就任式直前の首都ワシントンでは、数千人の反トランプが抗議デモを行った(1月18日) AMANDA PEROBELLIーREUTERS

②実効性の乏しい命令

緊急の物価対策と生活コストの引き下げを求める大統領令は、素晴らしいものに思えるかもしれないが、実際には「全く実効性がない」と、パールスタインは言う。

行政機関に対策を求めるものではあるが、具体的に執行可能な法律の形を取るわけではなく、裁判所が履行を強制することもできない。大統領令は、個人や企業などの団体になんらかの行動を強制できるものではないのだ。

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言論の自由を回復し、「連邦政府による検閲」を終わらせるという大統領令も、基本的に実効性がない。大統領令を通じて、トランプが自分なりの憲法解釈を披露したという以上の意味はない。

意外に感じるかもしれないが、大きなニュースになった中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」関連の大統領令も、状況を大きく変えるものではない。

パールスタインによれば、この大統領令は、アップルとグーグルがTikTokのアプリをアプリストアで提供した場合、罰金などの制裁を科すことを差し当たりはしないと表明しただけにすぎない。

アメリカ国内でのTikTokの利用を禁止する新法は、昨年成立し、1月19日に発効。TikTok側はこの前日にサービスを停止したが、トランプが施行延期の大統領令を発する意向を表明したことを受けて19日にサービスを再開していた。

しかし、大統領令により、この新法が撤廃されるわけではない。「『どうすべきか私が考える間、75日間は強制措置を実行しないと約束する』というだけのことだ」と、パールスタインは言う。

③党派的な命令
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