江戸時代の庶民の日々の楽しみ、エンターテインメントと言えば、やはり「遊び」と「芝居」である。江戸の「遊び」を象徴するのは吉原遊郭と遊女たち、江戸の「芝居」なら江戸歌舞伎と歌舞伎役者たちである。

前者は「美人画」として、後者は「役者絵」として、当世評判の遊女や芸者、町娘、歌舞伎の興行に当てた人気役者を描いた浮世絵が大ヒットする。まさに絵本は流行ファッション誌であり、一枚絵は人気アイドルのブロマイド写真のようなものである。

寛政期(1789〜1801)には、喜多川歌麿の美人画や東洲斎写楽の役者絵などが登場し、庶民を楽しませた。

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また、今日のような広告メディアがまだ発達していない時代、浮世絵はチラシや広告の役割も果たしていく。伊勢参りなどの旅行ブームが起きるなかで、風景を描いた浮世絵は、人気の観光スポットを紹介する一種の旅行雑誌的な役割も果たすようになった。葛飾北斎「富嶽三十六景」や歌川広重「東海道五拾三次」はよく知られている。

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「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏(ふがくさんじゅうろっけい かながわおきなみうら)」 葛飾北斎画 1831(天保2)年頃 東京国立博物館蔵 出典:ColBase(http://colbase.nich.go.jp/)
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「東海道五拾三次 庄野・白雨(とうかいどうごじゅうさんつぎ しょうの・はくう)」 歌川広重画 1834~36(天保5~7)年 国立国会図書館蔵
吉原を魅力的に見せた絵の力
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