<極端な姿を伝えられるトランプ支持者と反対派だが、話し合ってみれば「求めるもの」に大きな隔たりはない。「草の根の議論」で見えた共通点と妥協点>

「教育が全てだ。米中西部の田舎に住む教育のない人々があんな男に投票するから、アメリカが誤った道に進むんだ」

ニューヨークの地下鉄で、私の隣でマーク・トウェインの『ハックルベリー・フィンの冒険』を読んでいた男性に話しかけると、ドナルド・トランプの大統領就任をこう嘆いた。1970年代に移住した70代のイラン系アメリカ人だった。

就任式の2日前の1月18日、私はニューヨークから首都ワシントンに向かおうとしていた。

「私がもっと若かったら、この4年間はスイスに逃げるわ。就任式の日はテレビをつけない」

ワシントン行きのバスを待つ間、スイス系アメリカ人の女性はそう語った。

バスに4時間揺られ、夜7時前にワシントンに着く。地面には雪が残っている。20代の白人女性に道を尋ねると、同じ方向だから、と一緒に歩いてくれた。

「この国がどうなっていくのか。不安と恐怖しかないわ」

水質調査の仕事に携わるこの女性は、トランプの話になると笑顔が消えた。

ニューヨークと同じように、ワシントンは極端に民主党色が強い。宿に着くと、ロビーで女性3人がその日に参加した市内の集会について話していた。2人は白人、1人はインド系だった。全米から集まった人々が、女性や移民、LGBTQ(性的少数者)の権利を求め、トランプの政策に抗議する集会だ。

「奴隷制度なしに今のアメリカの繁栄はない。黒人がどれだけひどい扱いを受けていたか」「マイノリティーが権利を得ると、白人が恐怖を覚えて抑圧し始める」と、彼女たちは熱弁する。

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集会開始6時間前でも「長蛇の列」
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