いずれの支援額も、実は大した金額ではない。名目GDPが27兆ドルに上るアメリカにとって、3年弱で910億ドルというのはかすり傷にもならない額だ。

ヨーロッパの経済規模はアメリカを大分下回るが、ノルウェーやイギリスも含めたウクライナへの支援総額も、ヨーロッパ全体のGDPの0.6%に満たない。つまり、金銭的な負担が重すぎるからウクライナ支援をやめるという議論は成り立たない。

軍事的にはともかく、政治的な風向きは今もウクライナに有利だ。この戦争が始まってから3年、ウクライナを「巨人ゴリアテに立ち向かうダビデ」になぞらえるような当初の熱狂は冷めたが、ヨーロッパのたいていの国では今も、国民の過半数がウクライナ支援の継続を支持している。

そもそもEUの首脳部には、ロシアの勝利は自分たちの存亡に関わる問題だという認識が共有されている。だからこそ欧州委員会を率いるフォンデアライエンは矢継ぎ早に経済制裁を繰り出し、ロシアの暴走を止めようとしてきた。

最も大事なのは、欧州では国政レベルの政治家のほとんどがウクライナ支援こそ国益にかなうと信じている点だ。EUの価値観や規範はロシア大統領プーチンのそれと相いれない。彼がウクライナ領を武力で奪取するのを座視すれば、もはやその野望を止められなくなる。

アメリカが手を引けば痛手だが...
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