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色温度と光の拡散を抑えた街灯の設置作業 COURTESY OF KOZUSHIMA TOURISM ASSOCIATION

人間だけでなく、海のプランクトンから昆虫、動植物、農作物に至るまで生態系にも幅広い影響が指摘されている。

特に深刻な被害が報告されているのがウミガメと渡り鳥だ。砂浜で孵化したウミガメは光を感じる方向に動いて海にたどり着く本能があるが、光の強い人工灯があると方向を見失い、大量の子ガメが車にひかれる悲劇が各地で起きている。

星の光を頼りに移動する渡り鳥も、高層ビルの明かりに惑わされて延々と周囲を飛び続ける。アメリカでは、窓に衝突して絶命する渡り鳥が年間10億羽を超える。

白光LEDのデメリット

こうした現状を打開しようと、東京都の離島である神津島村は2020年、美しい星空を守る光害防止条例を施行し、都では初めて「星空保護区」の認定を受けた。

神津島の星空

島は美しい天の川を鑑賞できる場所として人気が高まり、神津島観光協会は島民向けの星空ガイド養成にも力を入れる。鑑賞会は島の新しい観光資源として好調だ。

星空保護区を認定するのは、1988年に天文学者や環境学者らが設立した米アリゾナ州に拠点を置くNPO「ダークスカイ・インターナショナル(DarkSky International)」。光害対策にいち早く取り組んできた団体で、24カ国に80以上の支部があり、日本支部は越智が代表を務める。

団体によるダークスカイ運動は「責任ある屋外照明の推進」を掲げる。認定基準にも、屋外照明の上空への光漏れが「ほぼ0%」であることや、照明の色温度が「3000K(ケルビン)以下」といった厳しい条件が示されている。

フランスやスロベニアなどでは法規制も進むが...
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