研究員
超高齢社会の到来とともに食事と健康の関係や老化を招く要因の研究も盛んに DIMENSIONS/ISTOCK

過剰な活性酸素が細胞を「酸化」させ、免疫機能の低下や動脈硬化、癌を引き起こすことは広く知られている。近年は活性酸素を取り除く抗酸化物質が豊富な食材(ビタミンA・C・Eやポリフェノールを多く含む緑黄色野菜やナッツ類など)や関連サプリが人気を博している。

タンパク質の糖化とAGE

一方、あまり耳慣れない「糖化」は体内の過剰な糖がタンパク質にこびりつく現象で、酸化と並んでタンパク質の劣化、すなわち老化を促進する主要因となる。

糖にまみれて変性・劣化したタンパク質は、「AGE(終末糖化産物)」と呼ばれる老化物質となって体内に蓄積されていく。

皮膚細胞のタンパク質がAGE化すればしわやシミのもとになり、血管にたまれば動脈硬化や高血圧の原因となる。骨をもろくしたり、慢性炎症を引き起こして癌や認知症の引き金になることも報告されている。

オランダのフローニンゲン大学の研究チームが住民7万人以上を追跡した長期研究では、AGEの蓄積量が多い人は糖尿病や心臓病になる確率が3倍高く、死亡リスクは5倍に達していた。

体内のAGEが加齢とともに増えるのは避けられないが、そのペースを緩やかにする方法はある。昭和大学医学部の山岸昌一教授(糖尿病・代謝・内分泌内科学)によれば、AGEが蓄積する経路は2つ。

1つは血中の過剰な糖がタンパク質と結び付く「体内ルート」で、これを避けるには血糖値が急上昇する「血糖スパイク」を抑える食生活──早食いをしない、野菜など食物繊維の多いものを先に食べ、ご飯などの糖質を最後に食べるなど──が望ましい。

実際、食後の血糖スパイクを抑えることで、血中のAGE値が3カ月間で3割ほど低下したという研究もある。

電子レンジを長時間使う調理で「老ける」
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