議会の権限は復活するか

奥の手は、かつて議会が有権者をなだめる手段として成立させた悪名高い1930年関税法だ。

その第338条は、アメリカやその産品を不公正に扱う国の製品に対して一方的に最高50%の関税をかける権限を大統領に与えている。事態の改善が見られなければ当該国からの輸入を全面的に禁止することも可能だ。

だが、この法律を根拠とした急激な関税引き上げが世界恐慌をさらに悪化させ、1930年代半ばまでに世界貿易が崩壊し、世界大戦につながった事実を忘れてはならない。この法律をトランプが持ち出せば、景気の後退が一段と深刻化する恐れがある。

その場合、議会はどう出るだろうか。共和党のジョン・スーン議員が上院の院内総務に選出されたことで、共和党内にまだ自由貿易派が生きていて、トランプを牽制できるのではないかという期待が高まっているのは事実だ。

スーンは関税がインフレを招くと警告しており、地元サウスダコタ州のような農業州の輸出を(減らすのではなく)増やすことにつながる自由貿易を望んでいる。共和党上院議員には、ほかにも貿易に関する議会の権限を取り戻したいと考える人がいる。

上院が本気を出せばトランプを抑えられる
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