地方創生と脱炭素社会を実現する鍵

lid研究所I³デザイン室 室⾧の古山明義氏は、プロジェクトに対する思いを次のように語る。

「竹を活用することは、建築的なメリットだけにとどまりません。竹は成長が早く、わずか3~5年で利用できるようになりますし、地下茎を張り巡らせているため、伐採しても植林不要でまた生えてきます。炭素を貯蔵する植物ですから、使えば使うほど、脱炭素社会を実現できます」

「そんな竹の活用が進めば、放置竹林は『地域資源』へと生まれ変わります。地域に産業が生まれ、雇用を創出できるようになるのです。建築の世界で多くの竹を利用することにより、脱炭素社会を実現し、森林を守り、地方創生に繋げていくことを目指しています」

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性能評価書を取得したモデルプロジェクトの外観パース
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性能評価書を取得したモデルプロジェクトの内観パース

竹集成材構造プロジェクトの発端は、全国で最大の竹林面積を持つ鹿児島県の薩摩川内市からの相談だった。プロジェクトを通じて、竹を使った新素材「セルロースナノファイバー」の建築応用も誕生している。

持続可能な社会の実現に向け、竹は理想的な素材とされるが、課題も残る。例えば、サプライチェーンの未整備により伐採・加工・流通のコストが高い点が課題だ。

こうした障害を乗り越え、竹という日本の伝統素材が世界で評価される日を目指して、日建ハウジングシステムの挑戦は続く。

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