不健全な対立がしかける「罠」には「足を踏み入れるな」

以下の2カ所は、『よい対立、悪い対立』の原書と邦訳から。

●Conflict becomes necessary and good, instead of just draining.

(対立は、人を消耗させるものから、自分に必要なものへと変わっていく)

──自分の信念は曲げないが、相手の言い分に耳を貸すことですべてが変わっていき、相手を思いやる気持ちも取り戻していける。同意はできないことも、理解はできるようになる。不健全な対立を健全な対立に変えていけば、自分にとってプラスになる。

●The best way to escape the Tar Pits should be clear : never set foot in them at all. Once we get captured, it's hard to get out.

(つまりタールピッツから逃れる最良の方法は、けっして足を踏み入れないこと。いったんとらわれれば、抜け出すのは容易ではない)

──タールピッツとは不健全な対立がしかける「罠」のたとえ。誰しも気をつけていないと簡単にその罠にはまってしまう。そこから抜け出す道はあるが、本書の複数の例が示すように、それは過酷で孤独な道のりだ。だからこそ、罠にはまらないようにしなければならない。

不健全な対立が横行する現代だからこそ、一人ひとりがしっかりとした自覚を持って、身近なところから「健全な対立」に変えていく努力が必要なのではないだろうか。

よい対立 悪い対立

よい対立 悪い対立――世界を二極化させないために
 アマンダ・リプリー 著
 岩田佳代子 訳
 ディスカヴァー・トゥエンティワン

トランネット
出版翻訳専門の翻訳会社。2000年設立。年間150~200タイトルの書籍を翻訳する。多くの国内出版社の協力のもと、翻訳者に広く出版翻訳のチャンスを提供するための出版翻訳オーディションを開催。出版社・編集者には、海外出版社・エージェントとのネットワークを活かした翻訳出版企画、および実力ある翻訳者を紹介する。近年は日本の書籍を海外で出版するためのサポートサービスにも力を入れている。
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