若者に人気のジュビリー・メディアがYouTubeで、「投票先未定」の有権者25人と現役運輸長官のピート・ブティジェッジを招いて1時間にわたるディベート番組を流したことがある。あのときハリスの代役として立ったブティジェッジ(まだ42歳で同性愛者だ)はたった1時間で25人中数人の心を動かし、ハリス支持に回らせることに成功した。

トランプが選挙人争奪戦で8年前の圧勝を再現し、一般投票でもついに勝利を手にしたのは事実。だが態度を決めていない25人の有権者中たった1人でも心変わりしていれば、今頃ハリスは最高に聡明な政治家と呼ばれ、トランプは最低の負け犬となり、(今までに起訴された案件の全てで有罪になれば)余生を刑務所で過ごすことになっていたはずだ。

ところがそうはならず、私はこれからも「トランプ時代」の話を書き続けなければならない。そしてトランプは、この100年で最も力強い政治家になりかねない。アメリカのように細かく分断されてしまった国では、物事がどちらへ転ぶかは、マスメディアに背を向け政府にも政治にも無関心な有権者が考えを変え、雨の日に投票所へ足を運んでくれるかどうかに懸かっている。
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