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首都ワシントンで演説し敗北を認めたハリス副大統領 ANDREW HARNIK/GETTY IMAGES

一つの政党をこれほどまでに支配できた人物はいまだかつて存在しない。2016年の大統領選でトランプが勝利したのは時代遅れの「選挙人団」制のおかげでも、まぐれでもなかった。ある識者に言わせると、もはや「ドナルド・トランプは異常現象ではなく標準」なのだ。

②地位の喪失から生まれた復讐心

トランプはこの国の時代精神を最も鋭く読み取っている。一部のエリートに対する大衆の怒りを、ほとんど直感で理解している。ニューヨーク・タイムズ紙のコラムニストであるデービッド・ブルックスに言わせれば、こうだ。

「聞こえてくるのはリスペクトの再分配だ。高学歴の者は祭り上げられ、その他の者は姿が見えない。特に男子はきつい。高校生になると成績上位10%の3分の2は女子で、下位10%の約3分の2が男子だ。学校教育は男子に味方しない。それが個人の一生にも国全体にも影響を及ぼす」

選挙戦終盤で、トランプはジョー・ローガンやネルク・ボーイズなど、若い男性に人気のポッドキャスト主宰者に接近した。結果はどうか。トランプ当確が報じられた途端に、SNSではこんな文句が拡散した。

「アメリカの国としての性別が判明したぞ、男の子だ!」。共和党全国大会でジェームズ・ブラウンの名曲「マンズ・マンズ・ワールド(男の世界)」と共にトランプを登場させた演出も秀逸だった。

トランプを忌み嫌う人はいるがより多くのアメリカ人が彼に共感
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