コシバさんは、サンゴ礁だけではなく、サンゴ礁からマングローブに至るまでの沿岸生態系(エコシステム)全体の保全が非常に重要だと話します。「サンゴやマングローブは、高波や津波の被害を防ぐ防波堤・防潮堤の役割を果たしています。また、マングローブの根は、土砂の流出による堆積物からサンゴを守ってくれますし、マングローブの葉は、水に落ちて分解され、マングローブに住むカニや他の小動物の餌になります。そして、私たちパラオの人々はそこで育った魚介を食べて暮らしています」。

コシバさんの話を聞き、「サンゴだけではなく、マングローブや、そこに生息する魚も含めて全部が生態系として大切で、何か一つ欠けてもダメなんですね」と髙梨さん。沿岸生態系の重要さと、パラオの人々がそこから受けている恩恵に、想いを巡らせているようでした。

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コシバさんから説明を受けながら、国際サンゴ礁センターを見学
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(左)水族館としても楽しめる国際珊瑚礁センター(右)白化したサンゴ。この状態が長く続くと死んでしまう

カヤックツアーでマングローブエコシステムを肌に感じる

マングローブエコシステムの重要性を身をもって知るため、髙梨さんはカヤックでマングローブ林を巡るエコツアーに参加しました。このエコツアーは、バベルダオブ島東部のニワール州にJICAが協力して開発を進めているもの。マングローブエコシステムの保全のため、JICAはマングローブ林のモニタリング体制の構築とその重要性を啓発する教育活動に協力しており、エコツアーもその一環で行われています。

「エコツアーのガイドとモニタリング活動は、地域のレンジャーたちが担っています。州の人口は200人ほどですが、これまで20人近くがエコツアーガイドになるための講習を受けており、今後もその数を増やしていきたいと思っています」そう話すのは、JICA専門家の板垣佳那子さんです。

大統領に聞く、パラオの脱炭素の取り組み