中国にとってISKPは大きな懸念材料

これらの事件から、ISKPの中国への敵意は、単なる機会主義的な攻撃ではなく、イデオロギーと戦略に基づいていると言えよう。

ISKPは、タリバンが中国と経済的・外交的に接近することに強い反発を抱いている。タリバンはアルカイダと連携していた歴史を持ちつつ、2021年以降は国家運営を優先し、中国のような大国との現実的な関係を強化している。

ISKPにとって、これはサラフィージハード主義の理念を裏切る行為であり、中国はタリバンを操る外部勢力として攻撃の正当化に利用されている。さらに、ISKPがウイグル問題を攻撃の口実とするのは、中国の国内政策を国際的なテロの文脈に結びつけ、プロパガンダを強化する狙いがある。   アフガニスタンにおける中国の進出とISKPのテロは、地政学的緊張と地域の不安定性が交錯する中で、新たな紛争の火種となっている。

中国は経済的利益を追求する一方、ISKPのような過激派からの直接的な脅威に直面している。タリバンは国内の治安維持と中国との協力関係の両立を迫られているが、ISKPの攻撃はタリバンの統治力への挑戦であり、国際社会の信頼を損なうリスクを孕む。

ISKPの中国への敵意は、単なるテロ組織の反応を超え、アフガニスタンの資源と地政学を巡る国際的な不安定要因の一部として理解されるべきだろう。今後も、アフガニスタンでのテロ動向を注視する必要がある。

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