「自発的」な帰国とするが、実態は?

このケースの問題は、国外で警察行為を行うことが国際的に認められないだけでなく、決して「自発的」に帰国させていないことだ。報告書は、「自発的」に帰国や当局への協力をさせるために「中国当局は公式に、中国国内にいる子どもの教育を受ける権利を奪ったり、家族や親戚の活動を妨害するなど、徹底的に『連帯責任』を問う手法を使えと指導している」と指摘している。

それ以外にも、中国国内に残っている家族などの、健康保険を奪ったり、パスポートを無効化したり、公的な補助金をすべて停止するといった行為も行われているという。

さらにそこで、中国人同士を監視させるような動きを促したり、公安や、スパイ行為を行う情報機関の協力者にしたといったケースもあると見られている。

ちなみにこの報告書をまとめた人権団体「セーフガード・ディフェンダーズ」は、もともと中国を拠点にした人権団体で、スウェーデン人やアメリカ人、イタリア人、イギリス人などに加え、中国人弁護士団などが集まって活動している。もともと前身組織を2009年に上海にて設立後、2016年に当局からメンバーが拘束されるなど弾圧され、現在は、スペインに拠点を置いて活動している。

この「海外110」については、「スパイチャンネル~山田敏弘」でさらに詳しく解説しているので、ぜひご覧いただきたい。

問題人物を帰国させる具体的な手段は?