[ニューヨーク 17日 ロイター] - 来週の米株式市場では、企業の決算発表が集中する。企業業績が2四半期連続で減益となる「業績リセッション」を回避できるかを見極める上で重要な週になりそうだ。
来週はS&P総合500種指数採用の155社が決算発表を予定している。155社の株式時価総額は9兆ドル超と、指数全体の35%以上に相当する。
ハイテク大手フェイスブック<FB.O>、アマゾン<AMZN.O>のほか、ユナイテッド・テクノロジーズ<UTX.N>、コカコーラ<KO.N>、マイクロソフト<XOM.N>.、エクソンモービル<XOM.N>などダウ工業株30種<.DJI>採用銘柄も決算発表を予定している。
ブッチャー・ジョセフ・アセット・マネジメントのマネジングプリンシパル、ケン・ポルカリ氏は「注目材料は引き続き決算と、どのようなメッセージが発せられるかだ。これまでのところ、それほど素晴らしいメッセージは発せられていない」と指摘。
「さえない決算が続けば、疲労感が出て値下がりするだろう。相場の方向感にとって重要な週になる」と述べた。
リフィニティブの18日午前のデータによると、アナリストの第1・四半期の業績予想は1.7%の減益。前年比ベースで2016年以来の減益となる見通しだ。
第2・四半期の利益予想も急速に下方修正されており、市場では業績リセッションに対する懸念が浮上している。
第2・四半期決算の現時点のアナリスト予想は2.1%の増益。今年初め時点の予想は6.5%の増益、昨年10月初め時点の予想は9.2%の増益だった。
ボケ・キャピタル・パートナーズのキム・フォレスト最高投資責任者(CIO)は「本当に業績リセッションなのかが、大きな問題として市場を覆っている」と指摘。一部の企業はコスト管理で業績を維持できているが、投資家は消費拡大の裏付けのある業績改善を望んでいるという。
リフィニティブのデータによると、これまでに第1・四半期決算を発表したS&P総合500種指数採用77社では、全体の77.9%が市場予想を上回る決算を発表した。1994年以降の平均は65%、過去4四半期の平均は76%。
ただ、モルガン・スタンレーの米国株担当ストラテジスト、マイケル・ウィルソン氏は顧客向けのリポートで、第1・四半期決算への「期待度はかなり低く」、企業決算は予想を上回る可能性が高いが、企業は第1・四半期が底になるとはみていないと分析している。
同氏によると、S&P総合500種指数は、株価予想収益率(予想PER)が16.8倍と、バリュエーション・レンジの上限付近にあり、市場で業績期待が高まらない限り、上昇余地は乏しい。
企業の業績見通しも芳しくない。
第1・四半期の1株利益について「悪化もしくは市場見通しを下回る」と予測している企業の数を「改善もしくは市場見通しを上回る」と予測する企業の数で割ったネガティブ/ポジティブレシオは2.7と、過去4四半期の平均の1.5を大幅に上回っている。これは1997年以降の長期平均並みの水準だ。
同レシオは過去1年で上昇しているが、昨年の決算は税制改革で押し上げられており、今年は昨年の業績を維持できないとの見方も一部で出ている。
CFRAリサーチの投資ストラテジスト、リンゼー・ベル氏は「この四半期は、我々がかつて見慣れていた通常の水準に戻るというだけの話だ」と述べた。
来週の決算発表で業績リセッションへの懸念が強まった場合も、市場が下落基調をたどるとは限らない。前回の業績リセッションは、中国の景気鈍化に対する懸念などを背景に2016年に起きたが、その後、市場は回復している。
アメリプライズ・ファイナンシャルのチーフ・マーケット・ストラテジスト、デビッド・ジョイ氏は「たとえ業績リセッションが起きても、それで世界が終わるわけではない。比較対象となる前年同期の業績が非常に良かった。また、業績リセッションは以前にも起きたが、その後、回復している」と指摘。
「中国経済が再び拡大しているとの安心感が広がると、業績リセッションから回復した。今も似たような状況にある」と述べた。