<凶悪事件の犯行現場には共通項があると犯罪学者の筆者は述べる。襲うのは「誰でもよかった」のかもしれないが、「どこでもよかった」わけではない>

先月23日、「ルフィ」と名乗る男らがフィリピンを拠点に強盗を指示した事件で、犯罪組織の幹部に最初の判決が出た。実行役を集めた強盗致傷幇助罪などに問われた被告に対し、東京地裁は懲役20年を言い渡した。いわゆる闇バイトによる広域強盗事件として有名になった事件だが、その原点とも言えるのが、2007年8月に名古屋市千種区の31歳の女性が殺害された事件だ。

この事件では、被害者が帰宅途中、インターネット掲示板「闇の職業安定所」で知り合った男3人に拉致された上、現金を奪われて殺害された。「闇サイト」で知り合った男3人は、Eメールのやりとりを重ね、夜道を歩いていた被害者をミニバンで連れ去り、現金やキャッシュカードなどを奪って殺害した。3人が初めて顔を合わせて、わずか3日後の凶行だった。

インターネットが危険なのは、そこが「入りやすく見えにくい場所」だからだ。誰でも利用できて(=入りやすい場所)、しかも匿名で書き込みができる(=見えにくい場所)。そうした場所の危険性を早くから指摘しているのが「犯罪機会論」だ。

犯罪機会論では、犯罪の被害に遭わないために最も必要なことは、「人」ではなく、「場所」に注意することだと訴える。なぜなら、「危ない人」は見ただけでは分からないが、「危ない場所」は見ただけで分かるからだ。

「不審者」と言う日本
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