発見したそれぞれのホットスポットでは、犯罪者にプレッシャーを与えるため、しばらく滞在することが重要だ。ジョージ・メイソン大学のクリストファー・コーパー准教授はデータ分析に基づき、ホットスポットに滞留する時間は15分がベストということを発見した。15分までは滞留時間が長くなれば長くなるほど防犯効果は高まるが、その時間を超えて滞留していると防犯効果は低下する、というのだ。このメカニズムは「コーパー曲線」と呼ばれている(図表2)。

newsweekjp_20250206204402.jpg
図表2

15分とは何やら微妙な時間だが、なぜそれ以上とどまると防犯効果が下がり始めるのか。長くいればいるほど防犯効果は高くなるようにも思えるかもしれないが、おそらく次のようなことなのだろう。

ある窃盗団が待機している場所に15分間とどまったということは、次の場所(つまり、別のホットスポット)でも15分間とどまることが予想される。したがって最短なら15分で戻ってきてしまう。それでは時間が足りず、犯行を完遂できない。しかし1時間とどまった場合には、次の場所でも1時間とどまることが予想される。つまり、最短でも1時間は戻ってこない。それなら余裕で犯行を完遂できる。このような意識が働き、防犯効果に差が出るのかもしれない(図表3)。

newsweekjp_20250207054442.jpg
図表3

15分という数字がそのまま日本に当てはまるかどうかは分からない。そうした実験は日本では困難なのでデータが取れないからだ。しかし、参考になる数字であることは間違いない。個人的には、日本ではアメリカのようにホットスポットが集中していないので、15分でなくても、たとえ5分~10分でも効果が期待できると思われる。

ホットスポットは「入りやすく見えにくい場所」
【関連記事】