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シカゴ警察のホットスポット・パトロールに同行した筆者 筆者提供

ではなぜ日本では未だにランダム・パトロールが根強く支持されているのだろうか。その一因として、1996年に警視庁が実施した空き巣犯35人へのインタビュー結果が挙げられる。この調査では、「近所の人に声をかけられたり、見られたりしたことで犯行を諦めた」という回答が多かった。この結果がメディアを通じて広まり、パトロール中に犯罪者に遭遇すれば犯罪が未然に防げるという常識が定着したのである。

しかし、この調査には大きな落とし穴がある。対象となったのは、捕まった空き巣犯だけである。つまり、成功する犯罪者の行動パターンについては反映されていない。実際に300件以上の空き巣を繰り返した犯人は「インターホンで留守を確認し、怪しまれない方法を工夫した」と述べている。また、高級住宅地で200件以上の空き巣を行った犯人も「ブランド品の帽子を被り、散歩を装って下見を行った」と証言している。これらの事例から、レベルの高い犯罪者は顔を見られる程度では犯行を諦めないことが分かる。

犯罪機会論の観点から見れば、重要なのは(だれもが/犯人も)「入りやすい場所」と(だれからも/犯行が)「見えにくい場所」である。そこがホットスポットだ。

ホットスポットに滞留する時間は何分がベスト?
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