[8日 ロイター] - 米サンフランシスコ連邦地裁は、メキシコから米国に不法に入国して難民申請をしている移民をメキシコ側に移送して待機させる制度について、一時差し止める命令を下した。12日から全米で適用される。

トランプ政権は、中米などから大量に流入する移民への対策として、1月に移民保護手続き(MPP)と呼ばれる同制度の運用を始めたが、批判の声が出ていた。

従来、難民申請中の移民の子供を米国内の収容所で拘束できる期間は制限されているため、移民の家族は収容所から解放されてから、移民裁判所の審理が終わるまで待つケースが多かった。ただ、難民申請件数の増加に伴い審理が長期化し、多数の難民申請者が米国内で何年も過ごして審理にも出廷しない状況になっているとして、トランプ政権は移民を移送して待機させる同制度に踏み切った。

国土安全保障省は前週、同制度を拡大する方針を示していた。

MPPは隣接する国から米国に入った移民は難民申請の結果を待つ間は本国に戻れると規定する古い法律に基づいている。ただ、トランプ政権が採用した手法で運用されたことはない。

連邦地裁のリチャード・シーボーグ判事は移民・国籍法と呼ばれる同法律はトランプ政権が適用した方法で難民申請者をメキシコに移送する権限を政府に与えてはいないとの判断を示した。また、MPPは生命の危険や自由に対する脅威から難民申請者を守る安全策に欠けているとした。

米司法省の報道官は地裁の判断についてコメントを差し控えた。ホワイトハウスはコメントの求めにこれまでのところ応じていない。

政府は控訴することが可能で、控訴審が結審するまで差し止め命令の執行を停止するよう申し立てる可能性もある。

訴訟を提起した人権擁護団体は、難民申請者を国境沿いの治安が悪い地域で、移民裁判所での審理に関する情報もないまま待機させることは、国内法および国際法に違反していると主張していた。

原告側には司法サービスを担う組織や治安が悪化するグアテマラ、ホンジュラス、エルサルバドルを追われた移民が含まれている。

シーボーグ判事は米政府に対し、原告側の11人が14日から米国に入国することを認めるよう命じた。また、難民申請の審理結果が出るまで、政府は申請者を拘束する権利が依然あるとした。

*内容を追加しました。

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