<五輪の金メダル量産効果もなく、8月の世論調査で菅内閣の支持率が3割を切り始めた。デルタ株による新型コロナの爆発的な感染拡大が止まらず、「パンケーキおじさん」政権は発足から1年で早くも危険水域に入ったように見える。政権の命運を左右する秋の政局「3つのシナリオ」とは>


8月に実施された世論調査の結果がほぼ出揃った。菅政権の支持率は、時事通信に加えてNHKと朝日新聞の調査でも3割を切った。東京五輪開催で支持率が上向くのではないかという政権側の期待がくじかれた形だ。昨年9月に発足した菅政権は1年経たずして「危険水域」に突入している。

朝日新聞 支持率28%(不支持率53%)

時事通信 支持率29.0%(不支持率48.3%)

NHK 支持率29%(不支持率52%)

共同通信 支持率31.8%(不支持率50.6%)

読売新聞 支持率35%(不支持率54%)


各社の調査結果はおおむね支持率が3割前後、不支持率が5割前後を示している。ただし、対面方式で実施される時事通信の世論調査を見ると、7月の政権支持率は29.3%だったのに対して、今回は29.0%で、0.3ポイントの微減にとどまり、政権不支持率は49.8%から48.3%へと1.5ポイント微減している。この「横ばい」現象を、政権支持率低下の「底」を示していると見るか、それともコロナ禍での五輪開催、感染爆発など諸々のプラス、マイナス要素が組み合わさった結果に過ぎないと見るか、見解は別れるだろう。

今回の調査結果の中で注目されるのは、「若者の菅離れ」傾向だ。共同通信の世論調査結果によると、30代以下の「若年層」の政権支持率は30.1%になり、7月の調査と比較して一気に11.6ポイントも激減した。若年層のうち「女性」による政権支持率は22.7%まで落ち込んでいる。

2012年の政権奪還後に自民党が有力支持層の一つとしてきたのが若年層である。その若年層による支持率が急減しているのだ。ただし今回の共同通信調査では若年層の政権「不支持」率は46.1%に過ぎず、若年層が「アンチ菅政権」に転じたとまでは言えない。だが、ワクチン接種における高齢者優先、企業・大学などでの職域接種の遅れ、イベントやコンパなどの自粛長期化といったコロナ禍対策への若者の不満が着実に政権に向かいつつあるように見える。「パンケーキおじさん効果」は遠い過去の事のようだ。

「仕事師内閣」だったはずなのに
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