年末までに合計3回の利下げがあると予想
FRB(米連邦準備理事会)による利下げ再開期待が強まっていることも、株高の一因である。7月のFOMC(公開市場委員会)などでジェローム・パウエル議長らが利下げに慎重な姿勢を示したことを受けて、金融市場では年内利下げは行われないとの観測が一時広がった。ただ、その後の労働市場の減速を示す指標が増えるとともに、クリストファー・ウォラー理事、ミシェル・ボウマン副議長の両名が早期利下げを主張したことで、9月会合での利下げ期待が強まった。
筆者は、5月時点から年末までに合計3回の利下げがあると一貫して予想しているが、9月以降利下げが続けば筆者の想定が実現することになる。今後利下げが断続的に実現すれば、減税政策とともに米国経済の成長を支えるだろう。
一方、トランプ政権によるFRBに対するあからさまな利下げ要求、そして人事権を通じた介入が、米国経済や金融市場に大きなリスクになると懸念する向きがある。パウエル議長に対するトランプ大統領の「口撃」は続き、ベッセント財務長官は政策金利が1.5~1.75%高いなどと発言した。
8月25日にリサ・クックFRB理事を「住宅ローン申請の不正疑惑」を理由に解任する意向をトランプ大統領は示し、これを不服とするクック氏との法廷闘争に至っている。
また、退任するアドリアナ・クーグラー理事の後任として、トランプ政権の経済政策に携わっているスティーブン・ミラン氏が選任されることが発表されている。トランプ氏から任命されたウォラー理事らと同じく利下げに積極的なFRB理事が増える見込みであるが、クック理事の解任にも利下げを早めたい政権の意図が影響しているだろう。