自律的な経済成長を支える減税政策は将来の税収増加をもたらす
また、これまで石破首相が実現させた政策はほぼ見当たらず、現状維持を志向する官僚の原案をほぼ鵜呑みにしていたに過ぎない、と自民党議員だけではなく多くの有権者が考えていることが、選挙での大敗をもたらした。
石破首相は続投すると言っているが、減税を求める有権者の声を受けた野党との協力なしには予算は可決しない。それだけでなく、自民党内からも拡張財政への転換を主張する声が強まるだろう。このため、今回の与党大敗は、無策だった経済政策が拡張財政に転じるきっかけになる、と筆者は前向きに評価している。
具体的にどのような政策転換が実現するかは、次の自民党総裁の資質、そしていずれの野党と予算策定で協力するかどうか次第である。「次期首相(続投の可能性は低い)」「協力野党」の組み合わせで、さまざまな展開が想定される。
なお、一部の投資家や霞が関への取材をもとに、減税政策の発動によって長期金利が大きく上昇しかねない、との見方がメディアで目立つ。ただ、先述したとおり、これまでの日本の財政収支が改善し過ぎている事実を踏まえれば、的外れにしか見えない。
個人消費の回復によって自律的な経済成長を支える減税政策であれば、それは将来の税収増加をもたらすのだから持続可能だ。国民民主党が掲げている規模の所得税を中心とした恒久減税が、個人消費を回復させるベストの対応だと筆者は考えている。
無為無策の石破政権が誕生した昨年10月以降、他の主要国の株価は上昇が続いた一方で、日本株市場は横ばいにとどまった。「石破後」に十分な経済政策の転換が実現すれば、日本株市場は停滞から脱却するだろう。
(本稿で示された内容や意見は筆者個人によるもので、所属する機関の見解を示すものではありません)
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