<一回限りの現金給付か、恒久的な減税か。石破首相の主張「減税は無責任」は詭弁に過ぎない>

6月25日コラム「国難に直面する『重税国家』日本にいま必要なもの」では、石破茂首相が率いる自民党が都議会選挙で議席を失った主たる要因は、減税政策を否定し続けていることにある、との見方を示した。

7月20日に行われる参議院選挙が公示されたが、メディア各社の序盤情勢の報道は以下の通りである。

・日経新聞「自公は改選66議席から減らすものの合計で50超の可能性(=非改選を含め過半数超)」

・朝日新聞「自公は非改選を含めた定数の過半数の獲得が微妙な情勢」

・共同通信「与野党が非改選を含む過半数の議席獲得を巡り競り合っている」

細かい差はあるが、自公の議席が参議院で過半数割れとなるかはほぼ五分五分である。

与野党ともに、「物価高対策」として家計の所得支援政策を掲げている。米価を中心に生活必需品の価格上昇に賃金上昇が追い付かない状況が続く中で、家計の購買力を高めることで総需要の拡大を後押しする対応が必要だろう。

そして、与党と野党の間の家計所得の支援の違いは、一回限りの現金給付なのか減税を行うか、にある。

実際には、減税が実現すれば、現役世代を中心に可処分所得が増えることが認識できるだけでなく、将来の増税懸念が和らぐ。このため、減税が財布の紐を緩める効果は大きい。ただ、減税政策は、税金に依存する権益者に配慮する政治家には取りづらい手段である。だから石破政権は、減税政策を採用しなかったのが実情だと筆者はみている。

昨年10月の衆院選から、自民党は世論を無視してきた
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