中国の汚職対策当局のトップによれば、中国は、国内で汚職を告発されて国外に逃亡している者をグローバル規模で追跡する作戦を変更したという。

 捜査官を海外に派遣して容疑者を追跡する中国政府の手法に対して、各国から抗議の声があがっているためだ。

 海外に逃亡した中国の汚職容疑者の送還作戦を担当する劉建超氏は9日、ロイターとのインタビューに応じ、中国政府は諸外国の政府との協力を強化しており、今後は相手国による承認がない限り、帰国するよう容疑者を説得するための当局者派遣を慎むと述べた。

 中国は、「キツネ狩り作戦」と呼ばれる汚職対策キャンペーンのもとで今年600人以上の汚職官僚を海外で追跡し、国内に連れ戻している。劉氏が「大変な任務」と称する、根深い汚職に対する広範な摘発作戦の一環である。

 国際刑事警察機構(インターポール)中国国家センター局が4月に発行したレッドノーティス(国際的な逮捕令状に最も近い文書)に記載された上位100人の容疑者のうち、17人が本国送還されたという。

 法執行面での協力体制を改善するためイギリスを訪れた劉氏は、「さまざまなレベルの中国当局としては、訪問先の国に対して害を及ぼす意図は実際にはなかったものの、苦情を受けたことで、任務の進め方に改善の余地があることを認識した」とロイターに語った。

 「そこで今、関係各国の当局と協議し、支援と理解を求めるとともに、相手国の法的手続、ルールを遵守することをはっきりと告げているところだ」と同氏は言う。経済犯罪で逃亡した容疑者を本国送還するなかで中国政府が受けた抗議を率直に認めるのは異例のことだ。

「手ごわい」任務

 北京駐在の西側各国の外交官は、中国が海外に捜査官を派遣して帰国するよう容疑者を説得していることに各国政府は激怒しており、中国が各国の協力を望むのであれば、公明正大に法的手続と現地の裁判所を活用しなければならない、と話している。

 なかでも米国は、中国の捜査官が米国内で逃亡者に対して帰国するよう圧力をかけていると主張し、中国に警告を送っている。