<関税賦課は増税政策。それを相殺すべく、5月22日には米下院で減税を含む予算法案が可決されたが...>

5月13日コラム「米中『電撃』合意...トランプ関税に振り回された株価はどこまで戻るのか」では、米中が「懲罰的な関税」の引き下げで合意したことで、米国を含め世界経済が失速するリスクが低下したと述べた。この合意後、米国株(S&P500)は5月19日に2月末以来の水準まで反発する場面があった。

しかし、20日以降、再び米国株は下落に転じたとみられる。

4月初旬の関税ショックで米国株が急落した後、早い時期に関税政策が軌道修正されることを予見した株式市場は、ほぼ「行って来い」となり年初の水準に戻ったと位置づけられる。ただ、最高値を超えるまで株高が続くには、関税政策のさらなる修正などで、米国経済の底堅い成長が続き企業業績の増益が維持されることが必要だろう。

トランプ米大統領は「極端な関税賦課は持続不可能」と理解しているようだが、従前から公約で掲げているような関税賦課で米国経済が成長するとの思い込みは変わらない、とみられる。

関税賦課は増税政策であり米国の企業・家計の負担を強いることに加えて、関税政策の帰趨が分からない中で、多くの企業が設備投資を控えるので経済成長にブレーキをかける。

トランプ大統領らは減税政策などによって、関税賦課の悪影響を相殺しようとしている。とりあえずは5月22日に下院において、減税を含めた予算法案が可決された。上院との協議を経て早ければ7月にも、2025年10月以降に拡張的な財政政策が始まる可能性が高まった。

対EU関税も発言が一貫していない中で
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