極右、QAnon、陰謀論者......わいてくる現状否定の反主流派

アメリカは世界にテロや陰謀論を輸出している。ヨーロッパにおける陰謀論の最大輸入国はドイツであり、多数のQAnon支持者がいる。クーデター騒動を起こしたReichsbürgerもQAnonの影響を受けている。

陰謀論や極右といった現状を否定し、暴力によって変更しようとする勢力は不満が鬱積した社会に多く生まれてくる。満たされた平和な国は世界で少なく、状態が悪い国ほど反主流派勢力が生まれやすい。また、満たされた平和な国であっても、満たされず見捨てられた層の人々が存在する。こうした人々は現状を否定し、暴力によって変更しようとする勢力に惹かれる。欧米の多くの国の反主流派はこうした人々によって支えられており、彼らを支持層とする極右政党やポピュリストが拡大する素地となっている。

  

現在の世界は、気候変動、資源・エネルギー不足、パンデミックおよびそれらが引き越す移民増加によって、主要国が強調して強力な対策を打たない限り、中長期にわたって悪化し、社会はより不安定にする。紛争の増加も予想され、これらの問題の悪化を加速する。根本的な原因が気候変動、資源・エネルギー不足、パンデミックという多国間の信頼関係に基づく協力がなければ解決できないものである以上、解決はかなり難しい。自動的に世界の状況は悪化してゆき、そのしわよせは見捨てられた国や人々にゆく。極右、陰謀論といった反主流派はつきることなくわいてきて、多数派を形成することはほぼ間違いない。

このように書くと、暗澹たる気持ちになる方がいるかもしれない。分断というとネガティブに聞こえるが、異なる世界観が確立され、混在する社会と言えば印象が変わる。世界各地で生まれてくる新しい世界観の中から次世代へのブレークスルーが生まれてくる可能性もあると考えることもできるかもしれない。

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