[東京 16日 ロイター] - 複数の関係筋によると、日銀は22、23日に開く金融政策決定会合で、原油価格の下落などを踏まえて2019、20年度の消費者物価(除く生鮮食品、コアCPI)見通しの下方修正を議論する。物価2%目標に向けたモメンタムは維持されているとして、金融政策は現行の緩和政策を維持する見通しだ。

経済成長率見通しは、海外経済減速などの下押し要因と、原油安や政府による消費増税対策などの押し上げ要因が混在し、大きな変化はない見込み。

日銀は次回会合で「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」を議論し、2020年度までの新たな経済・物価見通しを示す。

昨年10月の前回の同リポートでは、コアCPIの前年比上昇率(政策委員の大勢見通し)の消費税率引き上げの影響を除くケースで19年度が1.4%、20年度が1.5%となっていた。

下方修正を議論するのは、主に原油価格が下落しているため。前回リポート時に1バレル65ドル程度だった原油価格(WTI)は、足元で同50ドル程度となっている。

このため、日銀内では、19年度の物価見通しについて、1.4%を下回る1%前半への下振れの可能性を指摘する見方が出ている。

他方、19年度に実施される予定の幼児教育の無償化に伴って、物価押し下げの影響が出るため、この要因をどのように位置付けるかも、議論になる可能性がある。

内閣府によると、同年度の消費者物価を0.3%ポイント押し下げるという試算結果が出ており、仮にこの影響を勘案した場合、さらに下振れることになる。

20年度は、原油を含めて19年度の一時的な下押し要因が剥落するものの、実際の物価上昇率の低迷に伴って、インフレ期待の高まりが遅れる可能性も考慮し、若干の下方修正の必要性が議論されるもようだ。

経済成長見通しでは、米中貿易摩擦などを背景に世界経済は、緩やかな減速が見込まれ、日本経済の下押し要因となるとの声が日銀内で多い。

一方、見通しには政府による消費増税対策を織り込むほか、原油価格の下落や教育無償化は実質所得の増加を通じて、日本経済を下支えする。

米中貿易摩擦も現段階で、日本の生産や輸出などへの影響は限定的との見方が多く、19、20年度の実質国内総生産(GDP)の見通しは、前回リポートで示した前年比0.8%増から大きな変化はなさそうだ。

物価見通しは下方修正される可能性が高まっているものの、日銀が重視する日本経済の潜在的な供給力と実際の需要の差である需給ギャップは、日銀の試算で需要超過状態が継続している。

インフレ期待も横ばい圏での推移が続いており、日銀では物価2%目標に向けたモメンタムは維持されているとの見方が多い。金融政策は現行の緩和政策の維持を決める見通しだ。

会合では、「不確実性を増してきている」(黒田東彦総裁)海外経済や、金融市場の動向といったリスク要因を丹念に点検する見通し。

*内容を追加しました。

(伊藤純夫 清水律子 編集:田巻一彦)

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