一緒に行動したり仕事をしたりしている人、それが特に目上の人だった場合、すぐに強く影響を受ける印象があった。例えば「大日本帝国憲法は今も有効だ」と教えられれば、同じことをすぐ自分の主張として繰り返す。「白村江の戦いは日本軍が勝利した」と教えられればすぐ同様に言う。どう考えてもウソ・出鱈目なのに、自分で調査したり分析したりする最低限のスキルが年齢の割にやや低いのかなとも思った。ただ総じて同業他者の悪口や陰口を言ったりする人ではなかったので、その点は信頼できると思った。要するに「熱い兄貴」なのである。
氏の古典的なネット保守的価値観、しかも、あまり綿密に練られていないネット保守的世界観が根底にあり、その後、人間関係の中でオーガニック信仰に影響を受けたため、両者が合体してそれが参政党の根幹を形成したのではないかと私は考えている。結果的に私が、神谷氏やのちの参政党と、青林堂との接点を作ったことは、良い事か悪い事か良く分からない。
ただし神谷氏の保守的心情が参政党の候補全部に浸透しているかどうかは疑わしい。例えば参政党から選挙区で出馬した候補の中には、参政党の保守要素とかけ離れている人もいる。
東京選挙区から立候補して落選した参政党の河西泉緒候補は、朝日新聞の質問に対し、「防衛力増強」「敵基地攻撃能力の保持」について、明確にNOとしている。「非核三原則の堅持」についてYESを示し、また「同性婚」「LGBTの権利擁護」についても明確にYESと答えている。
これだけをみると河西候補は社会民主党や立憲民主党から立候補してもよさそうなものだが、参政党の保守的要素ではなく、オーガニック信仰のみに共感している候補も存在するというアンビバレントな状態になっている。参政党は単なる「ネット保守」政党ではない。全体としてみればオーガニック信仰を基調として、そこに保守的要素が「後付け」された異形の「オーガニック右翼(保守・右派)」と呼ぶべき右派政党である。
今回の参院選挙で参政党は政党になり、神谷氏は国会議員になるので、有権者の付託にこたえるべく、出来るだけ事実や科学的なデータをもとに政策議論を展開していただきたいとは老婆心ながら思う。神谷氏の保守界隈デビューの初期段階で彼と関わり、かつ彼を応援して、少なくとも保守業界との接点を斡旋した経験のある私としては、これからも参政党と神谷氏に注目していきたい。
※当記事はYahoo!ニュース個人からの転載です。
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