<米大統領選で考えさせられた「選挙とは何か」。いまだ「完璧な選挙のかたち」は見つかっていない>

【選挙】

とある選挙の際、一人の有権者が言った。

「僕は彼には投票したくないね。だって、僕は彼がどんな性格でどんな人間なのか、よく知らないから」

するともう一人の有権者がこう言った。

「僕も彼には投票したくないね。だって、僕は彼がどんな性格でどんな人間なのか、よく知っているから」

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今回のアメリカ大統領選挙をめぐる一連の混乱を見て、「選挙とは何か」「民主主義とはどうあるべきか」といった率直な疑問を抱いた人も多いであろう。

連邦議会議事堂に人々が乱入する光景は国際社会を驚かせたが、中東では「アラブの春」ならぬ「アメリカの春」などと風刺されている。

そもそも選挙制度とは、実は極めて多様性のあるもの。世界にはさまざまな選挙制度があり、いまだ「完璧な選挙のかたち」は見つかっていない。

ベルギーやオーストラリアでは投票は国民の義務とされ、違反者には罰金が科せられる。こうした「義務投票制」は、ルクセンブルクやシンガポールでも実施されている。

日本では投票日は1日だが、インドでは1カ月以上かけて行われるのが一般的。投票を終えた人の指先にはインクが塗られ、同一人物が何度も投票することを防ぐ。

「異様」に映る日本の選挙

サウジアラビアの国会に当たる「諮問評議会」の定員は150名だが、これに対する有権者の数はたった1人。つまり、その有権者とは国王である。

世襲制の国王が全ての議員を任命する制度となっているわけだが、それでも国民の不満は少なく、民主化運動の盛り上がりなどは特に見られない。

同じ中東のイラクでは国民投票が実施されてきたが、サダム・フセイン大統領時代に行われた「大統領の信任と任期延長」を問う投票では、「100%の得票率」で信任が確定。

同様の事例は北朝鮮などで今も見られる。中国が事実上の「一党独裁」であることも周知のとおり。

比例代表で当選した議員が、なぜ離党しても職を続けられる?
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