トランプ政権が抱えるさまざまなリスクに警鐘を鳴らし、的確な批判を重ねていくことは極めて重要な態度である。中東政策やウクライナ疑惑の行方も丁寧に注視しなければならない。

ただし、人権や寛容といった言葉を日頃からとりわけ強調していたはずの人々が「反トランプ」のデモにおいて一部暴徒化したような事例は、どうにもいただけない。ネット社会の発達によって、言葉が先鋭化し、思想が過激化しやすくなっている一面もある。

このことは日本にとっても対岸の火事ではない。感情化する社会が行き着く先は、どのような世界であろうか。

感情むき出しの罵詈雑言ではなく、気の利いた風刺をゆったりと楽しめるような社会のほうがいいと私は思う。真の問題は人間の心の中にある壁。その強固な壁に「笑い」で小さな風穴を開けられれば──。

<2020年2月11日号掲載>

【参考記事】「日本にも政治風刺はある、強かったのは太平洋戦争のとき」早坂隆×パックン

【参考記事】「下ネタは世界共通。男たちは同じオチで、同じ顔で笑う」早坂隆×パックン

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