すぐ手に入る答えを探し求めている

いったい、どうしてこのような本が求められるに至ったか。こうしたマーケットが隆盛する背景には、これもしばらく前から続いている「雑談力」ブームと結び付いているように思える。適当に話を転がし、本題に入る前に場を温め、相手との関係をつくる力が今という時代には必要らしく、こうした本はそのネタ元になるのだろう。

「教養」を求めること自体に罪はない。だが、昨今のビジネスパーソンはとにもかくにも市場からさまざまな情報で圧迫され、すぐ手に入る答えを探し求めているように見える。成功の条件を探し、情報を収集し、必要な力を身に付け、止まることなく動き続けよ、と説かれる。情報に流されず、立ち止まって考えない限り、「学問、知識などによって養われた品位」が身に付くことなどないと思うのだが......。

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます