「敵失」をなぜかスルーした枝野氏

だが、枝野氏はこうした点をスルーする。政治的な立場が「リベラル」でも「保守」でもなんでもいいのだが、貧困層を減らし、枝野氏が目指す人々が支え合う社会なるものをつくるためにも、スタンダードなマクロ経済政策は大切であり、適切な政策ブレーンを選ぶ必要がある。

その上で、気になったのは本書に選挙戦略と政権構想がないことだ。後半は実現したい政策の羅列となっていて、与野党で注目されている消費税の減税についても、いかようにでも読める記述がある。それも彼なりに踏み込んだものなのだろう。だが、それでは弱い。

枝野氏はどのような方法で来る衆院選で勝とうとしているのか。仮に首相になったとして、どのようなメンバーで政権を担おうとしているのか。具体的な名前はなくとも、内閣の構想くらいは知りたいのだがどうにも判然としない。政権への本気度はそこで示されるのだが......。

【関連記事】
ニューズウィーク日本版 台湾有事の新シナリオ
2026年4月21号(4月14日発売)は「台湾有事の新シナリオ」特集。

米・イラン戦争で変わる地域紛争の「大前提」/石油危機を恐れるべき理由

※バックナンバーが読み放題となる 定期購読はこちら
※画像をクリックするとアマゾンに飛びます