「テレビを否定する」ビジネスモデル
そんな藤森が唯一、控えめながら苦言を呈しているのがテレビ業界であることは興味深い。彼はテレビを「ちょっと非効率で、才能の浪費をしているところがある」という。彼がインターネットの世界で成功したとして、その大きなアドバンテージになるのは、テレビで得た知名度にほかならないはずなのに。
今やインターネットはオルタナティブな空間ではない。有名人が参入すれば、注目を集める「マスメディア」の一部だ。テレビとネットで文法の違いはあるにしても、有名で、かつ売れている人の周りには人が集まってくる。中田のようにお金になりそうな事業を展開しているところに人は吸い寄せられる。コンテンツの質は関係ない。中身に関係なく「すごいことを言っている」と見ている人が思えば、お金に還元されるのがビジネスの現実だ。「すごい」と視聴者に思わせる土台は、明らかにテレビによって作られている。
自分を育てたテレビの遅れを指摘し、そこに固執する芸人とは違う自分を演出するというビジネスモデル。そこに藤森もしっかりと乗っている。コミュ力モンスターの面目躍如といったところか。
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