<上手に褒めることができれば部下は気持ちよく成長する。だが、褒めることはそう簡単ではない。「褒めるマネジメント」の実践法>

部下を、いつ叱ったらいいのか。いつ褒めたらいいのか。上司としては常に頭を悩ませるところです。

職務満足、そして職務不満足を引き起こす要因が2種類あるとした「ハーズバーグの二要因理論」は、部下と関係を築くうえで大変参考になる理論です。

二要因とは、職務満足につながる「動機付け要因」と、職務不満足につながる「衛生要因」。今回のコラムでは「動機付け要因」を整理していきます。

私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントです。ですから「動機付け要因」の最たるものが「達成」であることは、理論を知る前から肌で感じています。

達成しなければ不満足となるわけではないですが、目標が達成されれば、当然のことながら人の満足レベルはMAXに。

次に「達成」ほどレベルが高くはないが、「動機付け要因」として無視できないのが「承認」です。

だから部下の職務満足レベルを上げ、成長を促すためには、上司からの適度な「承認」が必要。つまり、褒めることが大事なのです。

褒め言葉の「3S」

部下の成長を促すためには、褒めることが大事です。もともと人間は誰かに「褒められる」ことで脳内神経伝達物質である「ドーパミン」が分泌され、意欲が高まることはよく知られています。

皆さんは、どのように部下を褒めていますか。どのようなフレーズを使いますか。有名な「褒め言葉」の『3S』を覚えましょう。「すごいね」「さすがだね」「すばらしいね」の『3S』です。

とくに若いころに褒められたことがないまま年齢を重ねたマネジャーは、褒めることが苦手です。褒められた経験がないわけですから、意識しないとなかなかできません。私もそうでした。

ですから次にすべきは、心掛けだけではなくアクションプランを作ることです。無意識に褒めることができない人は、「褒める」を体得するために「ホメジメント」をしましょう。

ホメジメントとはもちろん、「褒める」と「マネジメント」をくっつけた造語です。

まず、褒めるプラン(P)を考えます。1日1回は褒めよう、1週間に10回は褒める──などと具体的な数字で決めるのです。部下にこれができたら「すごいね」と声をかけよう、と具体的な中身も決めるのです。そして実行(D)します。

そこからは、定期的に「正しく褒めているか?」「褒めるタイミングを逃していないか?」とチェック(C)し、改善(A)していきます。このようにPDCAサイクルをまわすことが「ホメジメント」です。

ただ、いざやろうとすると、なかなか難しいものです。

「褒める」側にも動機付けが必要