プーチンに、深層心理レベルで共感や憧れ
プーチンは、ロシアの外交的孤立に終止符を打ち、自国の望みどおりの条件で和平を実現すること、そして、ルールに基づく国際システムを突き崩して、いくつかの大国がそれぞれの影響力圏を確保する国際システム(ロシアは東ヨーロッパで絶大な影響力を握る)を確立することを目指していた。いまプーチンがこうした目標を達成できる可能性があるのは、何十年にもわたりロシアの利害を代弁し続けてきて、皇帝さながらに独裁的な権力を振るうプーチンに、トランプが深層心理レベルで共感や憧れを持っているからにほかならない。
アメリカは、ロシアとウクライナの戦争を終わらせることを目指していた。トランプ政権の下では、それはロシアの主張に同調し、ウクライナへの支援を削減もしくは打ち切り、NATOへの関与を弱めることを意味する。
ウクライナにとっては、独立を守ること、戦闘を継続する能力を確保すること、アメリカとの同盟関係を維持すること、そして、領土を失ったり、主権が弱まったりするような和平合意を避けることが課題だった。
ヨーロッパ諸国の狙いは、今後もアメリカをNATOに関与させ続けることと、アメリカがロシアに有利な和平を推し進めるのを阻止することだった。
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