「中国の諜報活動はロシアを凌駕しつつある」

この図式は、第2次大戦中から基本的に変わっていない。共和党の反共主義勢力は概して、中国の共産党政権を崩壊させ、少なくともアメリカ一国が世界に君臨する状態を確保することを目指し、民主党の対中姿勢が弱腰だと批判してきた。

それに対して民主党はおおむね、中国の現体制を崩壊させようと試みることは極めて危険であり、そもそも不可能だと考える。そこで民主党は、中国に対する封じ込めと関与を併用し、中国が民主国家に転換するのを促そうとしてきた。

もっとも、ワシントンの米政界でこうした論争が続いている間も、CIAは少なくとも1952年以降、中国に対処してきた。中国はこの年、情報収集のために自国内に飛来したCIAの航空機を撃墜。搭乗していた2人のCIA工作員をその後約20年間にわたり拘束し続けた(私はその1人であるディック・フェクトーと解放後程なく会ったことがあるが、フェクトーはあまり多くを語らなかった)。

一方、アメリカに対する中国の諜報活動は、中国の台頭とともに活発化してきた。21世紀以降、特に習近平(シー・チンピン)体制が発足してからは、中国の情報機関の体制は大きな変化を遂げた。組織改編や訓練の強化、予算の拡充を経て、対外諜報活動、とりわけアメリカに対する活動は大幅に増えている。11年の時点で、FBIの中国担当防諜部門トップは公に「中国はロシアを凌駕しつつある」と述べていた。

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