1959年の時点では、60%のアメリカ人が警察官などを除く拳銃の所持禁止に賛成していたが、現在は19%だ。5月末の時点で、武器メーカーのスターム・ルガーの株価はユバルディの銃乱射事件の前日(5月22日)から6・6%上昇している。スミス&ウェッソンの株価は事件前に比べ、12%以上も上昇した。

合衆国憲法修正第2条が「規律ある民兵」が「武器を保持する権利」を保障しているというだけの理由で、罪のないアメリカの子供たちが無差別に殺されるのを許せるのか。憲法の制定者たちは、レーザー・ポインターと大容量弾倉付きの軍仕様の自動アサルトライフルを合法的に購入する権利を18歳の子供に提供することになると想定していただろうか。

アメリカ人は常に、他の選択肢を全て試した後で正しいことをする、と言われる。アメリカ国内でテロ攻撃のせいで殺される事例は銃による暴力で殺されることよりもまれだが、アメリカ人の恐怖心を直感的にあおるテロによる殺戮のほうが、防止のための規制措置が実現しやすい。

かつてアメリカは喫煙や飲酒運転による死亡事故を劇的に低下させた。そこで見られた努力のように、社会科学者たちは銃所有者を「カッコ悪い」存在にするキャンペーンを張り、遺族は勇気を出して銃弾で無残な姿になった被害者の画像を社会に見せて訴える――そうすれば、いずれ銃をめぐる悲劇も抑制できると信じ続けたい。

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